【参考資料】MastercardのPriceless Planet コアリション(連合)が1億本の森林再生を加速、より多くの企業にサステナビリティ活動への参加を呼びかけ

2022年4月22日

Mastercardは自社のグローバルネットワークを活用し、急速に増え続けている100社以上のパートナーからなる同連合による森林再生活動を主導するとともに、自社のカーボン・カリキュレーターにより消費者の二酸化炭素排出量の削減を支援

本文書は、4月20日にMastercardがシンガポールで発表したプレスリリースに基づいた日本マーケット版となります。

Mastercardは、4月22日のEarth Dayを前に、現在100以上の大手銀行、フィンテック企業、加盟店が参加しているMastercard のPriceless Planet コアリション(連合)による森林再生活動を拡大し、新たに世界15カ所で実施することを発表しました。アジア太平洋地域では、新たなプロジェクトをカンボジア、中国、インド、フィリピンで開始し、オーストラリアでの植林を継続します。二酸化炭素排出量を削減するため、Priceless Planet コアリション は2025年までに世界で1億本の植樹を目指しており、さらにMastercardはカーボン・カリキュレーター などのサステナブルな取り組みも展開しています。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2022年版報告書は、気候変動を緩和するために早急な行動が必要であると警鐘を鳴らしています。この報告書は、排出量の削減と同時に大気中の二酸化炭素を除去することが、気候変動の影響を緩和する上で中心的な役割を果たすと述べており、森林再生は、最も影響があり費用対効果の高い方法の一つとして広く認知されています。また、国連グローバル・コンパクトの調査によると、81%のCEOがすでに持続可能な製品やサービスを開発している一方で、経営戦略コンサルタントBain社の調査によると、こうした持続可能性に関する取り組みの約半数が、掲げた目的を達成できていないことが明らかになっています。これは、人材の採用や新しい能力の構築に必要な多額の投資、外的要因、数年や数カ月ではなく数十年という長いプログラム期間が原因であることが多いと言われています。パートナー企業や専門家と連携して、これらの課題に対処することが、より良い結果へと繋がります。

Mastercardのアジア太平洋地域プロダクト&イノベーション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのサンディープ・マルフォートラ(Sandeep Malhotra)は、以下のように述べています。

「環境問題への取り組みは社会全体の課題ですが、個別での取り組みや、連携が取れていない施策を実施していることが多くあります。IPCCの最新の調査結果の緊急性を考えると、今こそ、地球上の私たち一人ひとりに関わるこの課題に一丸となって取り組むべき時です。Mastercardのビジネスの核は、銀行、政府機関、加盟店、消費者を繋ぐグローバルネットワークです。この繋がりが、Priceless Planet コアリションの他とは異なる特徴であり、より効果的にしています。リソースを集中させることで森林再生や環境保護活動を迅速に拡大することができ、また、既存のインフラを提供することで企業は簡単かつコスト効率よく、目に見えるインパクトを残すことができます。」

Priceless Planet コアリションでは、企業、コミュニティ、消費者が一体となり、協力しながら気候変動対策に取り組んでいます。森林再生パートナーであるコンサベーション・インターナショナルと世界資源研究所の指導のもと、科学に基づくベストプラクティスを用いて、新しいプロジェクト場所の特定、適切な樹種の選択、継続的なモニタリングを通じた長期的な森林の健全性の維持をするとともに、地域社会への経済的機会を提供しています。

パートナー企業は、森林再生活動への資金提供のみならず、気候変動に配慮した行動への心がけを促したり、寄付プラットフォームを通じて個人から寄付金を募ったり、消費者の関心を高める活動も行っています。アジア太平洋地域の企業では、オーストラリアの1derful、台湾のThe Shanghai Commercial & Savings Bank、DBS、Mega International Commercial Bank、Taiwan Cooperative Bank、Taiwan Shin Kong Commercial Bank、KGI銀行など複数の金融機関がコアリションに参画しました。


カーボン・カリキュレーター
について :銀行による環境に配慮した支出サポートを可能に
消費者が自身の支出にともなう環境への負荷を把握できるよう、スウェーデンのフィンテック企業Doconomyと共同でMastercard カーボン・カリキュレーター を開発しました。簡単に実装できるAPIにより、銀行やフィンテック企業は自社のデジタル製品に二酸化炭素排出量の測定機能を組み込むことができ、顧客はすべての購入品につき推定される二酸化炭素排出量を確認することができます。さまざまな支出カテゴリーに渡り計測されたユーザーの二酸化炭素排出量が月次で報告されるため、自分たちがどの項目に大きな影響を与えているのかを理解し、自分たちの行動を少し変えることで、効果的な変化に貢献することができます。

2022年3月、台湾のO-Bankがアジア太平洋地域の金融機関で初めてカーボン・カリキュレーターを導入しました。その後すぐに、Priceless Planet コアリションのパートナーであるTaiwan Shin Kong Commercial Bankも、カーボン・カリキュレーターを近々顧客に提供することを発表しています。


持続可能なデジタル経済の構築
Mastercardは、世界中のすべての人に役立つデジタル経済によって、より包括的で持続可能な世界を構築することを目指しています。ネットゼロ達成の目標を2040年に早め、最近では報酬モデルの対象を全従業員に拡大し、環境、社会、ガバナンス(ESG)の3つの優先事項に連動させました。MastercardはGlobal Sustainability Innovation Labを通じて、より持続可能な商取引を可能にする製品や、お客様がより環境に配慮したソリューションを世界中の消費者に提供できるようなサービスの開発に引き続き取り組んでまいります。

Priceless Planet コアリションへの参加や詳細については、PricelessPlanet.orgをご覧ください。


附録 1: アジア太平洋地域の森林再生活動

場所

目標

植樹数

オーストラリア

 

 

ニュー・サウス・ウェールズ州、 ビクトリア州

鳥類や動物の生息地となる生態系を支え、脆弱な植物種の種子供給を支援。

430,000

カンボジア

プルサット州、コンポントム州、トンレ・サップ湖

魚や野生動物の大事な生息地を作り出し、地域コミュニティの生計手段を強化するために、漁業域近隣で氾濫の被害を受けた拠水林を復元する。

219,980

 

中国

海南省

森林被覆を増やし、生物多様性の保護、生態系サービスの保護、自然や地域社会の気候変動への耐性を高める。

460,000

インド

ダルマ-シミリパール 象回廊

計画途中

計画途中

フィリピン

マンタリガハン山、ペニャブランカ州、キリノ州、ミンドロ島

地域社会への経済効果、野生生物と地域の生態系の保護、観光の活性化

417,500

 

動画:オーストラリアでの森林再生活動の様子はこちら
フォトエッセー:オーストラリアでの再生農業は気候変動にどう立ち向かえるかについての動画はこちら


附録2:他地域での森林再生活動
Priceless Planet コアリションのプロジェクトは、上記のアジア太平洋地域に加え、以下の地域でも展開されています。中南米(ブラジル、コロンビア、グアテマラ)、ヨーロッパ(フランス、ポルトガル、スペイン、スコットランド)、中東・アフリカ(マダガスカル、コンゴ民主共和国、ケニア、マラウイ、アラブ首長国連邦)、北米(メキシコ、米国)。今回の取り組みの拡大は、オーストラリア、ケニア、ブラジルのアマゾン熱帯雨林で進められているPriceless Planet コアリションの既存の植林の成果をベースにしています。

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