Mastercard Economics Institute: Economic Outlook 2023

2022年12月22日 | 日本

インフレや金利上昇の影響をより強く受ける国や地域もあるものの、
旅行に対する潜在的な需要の継続や消費者の嗜好の変化を考えると、
引き続きモノよりも体験の需要が強い傾向に

本文書は、12月8日にMastercardがグローバルで発表したプレスリリースに基づいた日本マーケット版となります。

Mastercard Economics Institute(Mastercard 経済研究所)は、新たなマルチスピードの世界経済が成長や消費行動にどのような影響を及ぼすかを示す、来年の世界経済の見通しに関するレポート、Economic Outlook 2023を発表しました。
本レポートは、幅広い公的統計および独自のデータと、経済活動を予測する経済モデルを用いて、世界経済に影響を及ぼす4つのテーマ、すなわち、高金利と住宅市場、消費者の節約行動であるトレードダウン(格下げ商品の選択)とショップアラウンド(商品の価格比較・検討購入)、価格と嗜好、経済ショックとオムニチャネル(店舗、ECサイト、メルマガ、テレアポ、SNS等すべての販売経路)について明らかにしています。

Mastercard アジア太平洋・中東アフリカ地域のチーフエコノミストであるデビッド・マンは次のように述べています。
「北東アジア全域でのパンデミックによる国境規制の緩和は、2023年に向けてアジア太平洋地域を大きく動かす要因になると思われます。消費者はインフレ率の上昇に対応して、必需品をより低価格で購入できるブランドや店舗にトレードダウンしている状況は見られるものの、地域全体で個人消費はパンデミック前のレベルまで回復しています。これは、特に観光に依存する経済にとって“再開への期待”に繋がっており、旅行、ホスピタリティサービス、体験が消費者支出全体に占める割合は堅調に推移しています。」

主な調査結果:

  • 長年にわたる住宅ブームの後、金利の上昇により生活費が圧迫され、消費行動は大きく変化すると予想されます。
    主要先進国では、住宅関連支出の割合が2023年にかけて推定4.5%減少し、コロナ禍前の水準を下回ると予想されます。日本では、住宅ローン負担が可処分所得に占める割合は70.8%となっています。100未満という数字は、日本の家計が住宅ローンの負債に対して大きなリスクを抱えていないことを意味し、86.2%のシンガポールと比較して低リスクとなっています。最も割合が高いのはデンマーク(可処分所得の205.5%)で、住宅ローンの負債によって家計が過剰債務に陥るリスクが高くなっています。

  • 消費者は財布に優しいブランドを選び、高い費用対効果を追い求め、インフレ下においても支出は全般的に底固く推移すると予想されます。
    2019年と比較して世界の消費者は今年、食料品を買うために、31%多く店に足を運び(食品廃棄物を減らす目的も含まれます)、1回あたりの平均支出はおよそ9%低くなっています。

  • 消費者予算に占める食費やエネルギー費の割合が大きくなるに連れ、低所得層は特に大きな打撃を受けます。
    2019年から2022年にかけて、高所得層の裁量的支出は低所得世帯の2倍近い速度で伸びていることが分かりました。しかし、この格差は、インフレの正常化によって減少すると見られます。Mastercard Economics Instituteは、来年はインフレ圧力が緩和され、先進国経済の平均インフレ率は2022年第4四半期の前年同期比7.1%から、2023年第4四半期には前年同期比3.1%に低下すると予想しています。旅行、ホスピタリティサービス、体験が消費者支出全体に占める割合が引き続き上昇し、高額耐久財の割合は減少すると予想されます。2022年後半の北東アジアの国境規制緩和はこの動きの大きな推進力になると考えられます。

  • オムニチャンネルを導入している企業は、顧客が望んだタイミング、場所で購買できるようにすることで、経済ショックへの耐性を高めています。
    Mastercard Economics Institute の分析によると、マルチチャネルの販売経路は、2022年の小売業界の売上を6%ポイント押し上げました。大型及び小型レストランは、オムニチャネルの導入によって、ロックダウンの最盛期に更に売り上げの31%を失わずに済みました。同様に、オムニチャネルを利用する小規模の衣料品店は、オンラインのみの企業や実店舗のみの企業と比較し、それぞれ10%と26%の成長を遂げました

「Economy outlook 2023」の全文はこちらからご覧になれます。本レポートはoutlook report の第3弾で、その他のレポートはこちらからご覧いただけます。

  1. Mastercard Economics Instituteによる推定値。Mastercardネットワーク内の集約・匿名化された販売活動(為替調整前の名目米ドル)および各国の統計機関の国民経済計算のデータの分析に基づく。

  2. 15カ国のサンプルにおいて、2022年9月までのMastercardネットワーク内の集約・匿名化された販売活動(名目現地通貨)の分析に基づく。

  3. Mastercard Economics Instituteが定義する裁量支出には、消費者が必要でない商品やサービスなどの消費カテゴリーが含まれます。例えば、アパレル、宝飾品、インテリア、イベント、家電量販店などでの支出が含まれます。非裁量消費には、食料品や燃料などの必要不可欠な消費カテゴリーが含まれます。

  4. Mastercard Economics Instituteによる世界の平均インフレ率の推定値。

  5. 2022年9月までのMastercardネットワーク内の集約・匿名化された販売活動(名目現地通貨)の分析に基づく。SMB(中小企業)と大企業の分類は、Mastercard Economics Institute独自の分類モデルに基づいています。

  6. 12カ国のサンプルにおいて、2022年9月までのMastercardネットワーク内の集約・匿名化された販売活動(名目現地通貨)の分析に基づき、測定における偏りを減らすため、固定化した加盟店をもとにしています。

  7. 2022年9月までのMastercardネットワーク内の集約・匿名化された販売活動(名目現地通貨)の分析に基づく。SMB(中小企業)と大企業の分類は、Mastercard Economics Institute独自の分類モデルに基づいています。

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Mastercard Economics Institute

2020年に設立されたMastercard Economics Instituteは、独自の高頻度かつ実用的な経済指標をもとに、ビジネスや政府のリーダーがより良い意思決定を行うために必要なインサイトを提供しています。

Mastercardについて (NYSE: MA)

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