【Mastercard、決済手段に関する調査結果を発表】日本の消費者はデジタル決済利用に前向きであることが明らかに さらなる普及の鍵はセキュリティと制度面でのサポート強化
2022年11月7日 | 日本日本の消費者の半数が生体認証の利用に肯定的であるが、
新しいデジタル決済手段より従来の決済手段の方が安全であると考えている
Mastercardは、日本、オーストラリア、中国、インド、ニュージーランド、タイ、ベトナムのAPAC(アジア太平洋地域)7市場を含む、5地域40市場を対象としたグローバルな消費者調査、第2回New Payments Index(NPI)を実施しました。
調査によると、日本の消費者のうち、デジタルウォレット、QRコード、後払い決済BNPL(Buy Now, Pay Later)、暗号資産、生体認証(バイオメトリクス認証)など、少なくとも1つのデジタル決済手段を過去1年間に利用したことがある人は70%と、APACで最も低い割合となっています。しかしながら、日本の消費者の47%は、過去1年間に少なくとも1種類のデジタル決済手段の利用を増やしています。これに対し、APACの消費者の88%がデジタル決済を利用したことがあり、69%が1つのデジタル決済手段の利用を増やしました。
新型コロナウイルス感染症の大流行が、デジタル決済がかつてないほど急速に普及するきっかけとなりましたが、日本ではまだ従来の決済手段の方が新興のデジタル決済手段よりも安全であると考えられています。不安の払拭と安全性への理解が導入促進のカギを握っていると考えられます。現在、3人に1人以上(35%)が現金の使用を減らしているが、従来の決済手段が優位性を保っています。APAC地域でも、回答者の40%が過去1年間に現金の使用を減らしたものの、新しい決済手段のセキュリティや制度的な裏付けに不安を感じていることが多く示されています。
Mastercardの日本地区社長の内山憲 は、次のように述べています。
「日本の消費者は、デジタルファイナンスを受け入れる一方で、どの決済手段を利用するかを決定する際には、セキュリティを最優先事項としています。また、新しいデジタル決済の導入に慎重ですが、セキュリティに関する認識を強化し、使用例を明確にし、信頼できることを示すことで、新しい決済方法の利用を促進する機会はまだあります。決済手段の選択肢が急速に拡大している中、社会経済、健康、政治的な問題が不透明な今日の状況を考慮すると、銀行、政府、金融エコシステムの関係者が、規制、セキュリティ強化、消費者教育などを通じて、新しい決済手段の持続的な発展を積極的に支援することが重要です。その結果、安全性への信頼が広がれば、日本を含むAPAC地域で、新しい決済技術がさらに幅広く採用されるでしょう。」
過去1年間に使用した支払い方法
APACレポートで明らかになった日本の特徴:
生体認証(バイオメトリクス)は利便性とセキュリティが高いが、プライバシーの懸念が残る
日本では、52%の消費者が、生体認証に使われる指紋や顔などの生体情報にどのような組織がアクセスできるかについて懸念を抱いていますが、37%の消費者は、時間を節約するために生体データを提供することに抵抗を感じないと回答しています。
日本の消費者の半数(51%)は、本人を識別するために、生体認証が暗証番号、パスワードなどよりも安全であると考え、47%の消費者は、生体認証を決済に用いることが、2段階認証よりも安全だと考えています。
生体認証決済を利用している
または利用を予定している日本の消費者の割合
後払い決済BNPLはある程度認知されているが、安心感は低い
日本では、57%の消費者がBNPLについて少なくとも少し知っていると回答しているが、現在、安心して使用できると回答したのは19%にとどまります。一方、APAC消費者の50%は、現在安心して使っています。BNPLを使う場面として、日本の消費者の76%は、大口購入や緊急時の買い物に利用する可能性が高いと回答しています。また、40%は、大手決済ネットワークに支えられたBNPLソリューションの方がより安心できると感じています。
暗号資産の認知度は高いが、理解不足と安定性への懸念が浸透を阻み、普及が遅れている
日本の消費者の70%が暗号資産について耳にしたことがありますが、NFT(Non-Fungible Token・非代替性トークン)について聞いたことがあるのは32%のみです。さらに、日常の買い物には暗号資産、NFT購入にはデビッドカードやクレジットカードを利用できるような、暗号資産と従来の決済が互換的に利用できる柔軟性の向上を求めているのは5人に1人のみです。一方、APACの消費者の88%は暗号資産について聞いたことがあり、68%はNFTについて聞いたことがあります。また、APACの回答者の46%は日常の支払いに暗号資産を使用するための柔軟性の向上を求めています。
調査対象者は、政府や信頼できる銀行のよう組織の関与が増えれば、暗号資産への信頼が向上すると考えています。(デジタル通貨のプロバイダーとして最も信頼できるのは銀行だと消費者は考えています。)日本において、4人に1人の消費者が、信頼できる組織が発行または裏付けする暗号資産であれば、安心して投資(25%)および決済(27%)を行えると考えています。消費者の30%は、現在利用している金融機関が暗号資産のサービス、例えば、暗号資産の送金、学習機会、デジタル資産の管理等、を提供することを望んでいます。
金融用語の認知度(純粋想起)
全消費者のうち、選択した割合%
Mastercard New Payment Index のインフォグラフィックスは、こちらよりご覧いただけます。
調査について
MastercardのNew Payments Indexは、新たな決済手段に関する消費者の姿勢の変化、嗜好、行動を分析し、デジタル決済の導入に関する消費者の動機と考慮事項に関する洞察を明らかにするものです。2022年のNew Payments Index調査は、The Harris PollとMastercardが2022年3月21日から4月19日まで、APACの7市場(オーストラリア、中国、インド、日本、ニュージーランド、タイ、ベトナム)を含む40市場の35,040人の回答者を対象に実施したものです。
Mastercardについて (NYSE: MA)
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