MastercardがグローバルB2B決済市場を刷新する「Mastercard Track™ビジネス決済サービス」を発表

2019年10月9日

Mastercard(本社:ニューヨーク州パーチェス、日本地区社長:ナンダン・マー、以下Mastercard)は、B2B(企業間)決済ソリューション「Mastercard Track™ビジネス決済サービス(以下、本サービス)」を発表しました。このTrackブランド製品は、プロセスの複雑性やコストを削減し、プロセスを自動化するソリューションで、サプライヤーとバイヤーに劇的な変化をもたらします。

技術の進歩とリアルタイムデータの普及により、企業はより迅速かつスマートにビジネスを行えるようになりました。しかし、ビジネス決済の多くは未だ、数十年前に確立された古い慣行のままです。
Mastercardのコマーシャルプロダクト担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるジェームス・アンダーソン(James Anderson)は、次のように述べています。「ビジネスの世界が進化を続ける一方で、決済業界は進化が可能にも関わらず停滞しています。小切手や手作業による請求業務を過去のものとし、事務管理業務を簡素化するツールを提供することで、マンパワーをより戦略的な役割に振り向けることができるようになります。Mastercard Trackを導入することで、Mastercardのサプライヤーおよびバイヤーパートナーは非効率的なB2B決済の課題を解決することができます。」

Mastercardは2018年に、アイデンティティ(本人確認)、コンプライアンス、および決済管理のニーズを満たす取引プラットフォームとして「Track」を発表しました。企業の決済や支払いの受け取り方法を大幅に改善し、簡素化する本サービスは今後、あらゆるB2B決済の製品やサービスを網羅することになります。

優れた効率性を備えるB2B取引プラットフォーム

Trackポートフォリオの中核を成す本サービスは、複数の決済方法、優れた管理機能、高度なデータ交換によって、サプライヤーとバイヤーにB2B取引を最適化する単一のプラットフォームを提供します。

    • 複数の決済方法:複数の決済方法を提供しているMastercardは、本サービスにより、ACH、アカウント間、およびカード決済など、様々な決済および支払いの受け取り方法を単一のソリューションに集約します。サプライヤーは、自社にとって最も効率が良い決済方式をカスタマイズすることができます。また、サプライヤーが採用する決済方法やその条件が可視化されるため、バイヤーは自社に最適なサプライヤーを容易に見つけることができます。
    • 共通基準:ビジネス決済サービスは、先進のPCIおよびISO規格を採用しています。最大限の自動化やデータ交換の安全性を確保しながら、すべてのファイル形式をサポートすることで照合プロセスを迅速化します。集約化されたディレクトリを通じて、サプライヤーの取引条件を決済に適用し、透明化を高めることができます。
    • 高度なデータ交換:すべての取引は、サプライヤーが必要とするデータに基づいて処理されます。バイヤーの識別情報や該当する請求書番号を含む送金データを使用することで、入金と請求書を照合する作業を省略することが可能となり、キャッシュフローの管理を簡素化します。


アンダーソンは次のように述べています。「Mastercardは、今こそがこの125兆ドル規模のエコシステムに再投資する時期だと確信しています。Mastercardは、あらゆる種類の決済方法を一つに集約し、決済のデジタル化と自動化を実現するイノベーションを有しています。Mastercardは世界中のほぼすべてのビジネス決済パートナー向けに、企業の大規模な取引方法を大幅に改善するサービスを提供できる唯一の存在と言えます。」


北米でパイロット運用を開始、2020年にはグローバルで提供

本サービスは2020年第1四半期より、米国市場を皮切りに、グローバルで提供が開始されます。そして自社の既存製品に本サービスを統合する予定があるサプライヤーおよびバイヤーパートナーを通じて提供されます。9月12日より、北米では他の市場に先駆けて、パイロット運用を開始しています。パイロット運用を行う顧客とパートナーには、B2B決済の最適化ソリューションを提供するBoost、決済ソリューションプロバイダーであるCorporate Spending Innovations(CSI)とTSYS、売掛金勘定(AR)ソフトウェアプロバイダーのVersapayYayPayHighRadius、および買掛金勘定(AP)自動化ソフトウェアプロバイダーのAvidXchangeが含まれます。
 

Mastercard Trackのパイロット運用に参加するパートナーは次のように述べています。

Boost Payment Solutions, Inc. 設立者兼最高経営責任者(CEO) ディーンM. リービット(Dean M. Leavitt)氏
「これまで、バイヤーやサプライヤーがコマーシャルカードを使用または受け入れる際にしばしば問題が生じていました。これらの問題をトータルで取り除く、バイヤーおよびサプライヤー代理店からなる単一のクラウドを構築するというMastercardのビジョンこそ、まさにB2B決済エコシステムが必要としているものです。当社がこのBPSプラットフォームを初めて使用するサプライヤー代理店に選ばれたことを光栄に思います。今後もMastercardや他のBPSパートナーと協力し、コマーシャルカードの利用を、誰も想像しなかったような形で拡大すべく共同で取り組んでいけることを楽しみにしています。」

Corporate Spending Innovations(CSI)インターナショナル・オペレーション担当マネージング・ディレクター ジェイソン・コルベンハイヤー(Jason Kolbenheyer)氏
「Mastercard Track決済サービスの取り組みに初期メンバーとして参加できることを大変嬉しく思っています。バイヤーやサプライヤーのデジタルアクセプタンスを容易にし簡素化するイノベーションとソート・リーダーシップは、B2B決済の未来にとって鍵となるものです。Mastercardはこれまでも、柔軟性に優れた一対多のAPIサービスを介して加盟店のカード決済アクセプタンスを容易にする、中立的で先進的なアプローチを採用してきました。その結果として、イシュアの決済アクセプタンスとデリバリーを簡素化する、有望なソリューションが誕生しました。」

VersaPay最高経営責任者(CEO) クレイグ・オニール(Craig O’Niell)氏
「Mastercard Track決済サービスを使用する最初の企業の1社に選ばれ、数千のバイヤーとエンタープライズサプライヤー間の取引を当社の顧客中心のAR自動化プラットフォームで処理できることを大変楽しみにしています。Track決済サービスにより、複数の決済方法全般に渡る資産やデータの動きを取りまとめる、柔軟性に優れた新しい決済方法が誕生します。これにより、デジタル決済がB2B取引に適した決済になるものと確信しています。」

TSYS Merchant Solutionsエグゼクティブ・バイスプレジデント兼プレジデント  マイク・ペータース(Mike Peters)氏
「B2B決済は、今日の決済業界において急速に成長する分野です。今回、B2B決済チェーンに所属するカード加盟サプライヤーに、重要なアクセスを提供するTrackプログラムに関して、Mastercardと協力できることを大変楽しみにしています。このプログラムを通じて、当社の大規模なパートナーネットワークをこのMastercardのプログラムに導入できる機会を得ることができ、市場におけるB2B決済のアクセプタンスを加速させることができます。」

AvidXchange共同設立者兼最高経営責任者(CEO) マイケル・プレイガー(Michael Praeger)氏
「当社はMastercard B2Bハブの専属の決済パートナーとして、50万以上のサプライヤーが登録するAvidPayネットワークの強みとMastercard Trackポートフォリオを組み合わせることで、簡潔でセキュアな電子決済の利用を拡大できることを喜ばしく思います。これは、B2Bエコシステムの決済方法を変容させる、当社とMastercardのパートナーシップと共同の取り組みにおける、重要な次のステップとなります。」

YayPayの最高経営責任者(CEO)のアンソニー・ヴィーナス(Anthony Venus)氏
「Mastercardと協力し、同社のB2B決済の世界を刷新する取り組みをサポートできることを大変楽しみにしています。当社は、バイヤーとサプライヤーの関係を結ぶハブであり、B2B決済の現状を打破する独自の位置にいます。Mastercard TrackとYayPayを組み合わせることで、非効率的なプロセスを改善し、企業の決済および支払いの受け取り方法を劇的に改善し、簡素化することができます。」

こちらは、9月12日(米国時間)に発表されたプレスリリースを要約したものです。
Mastercard Track to Modernize $125 Trillion Global B2B Payments Market