想定読了時間 3分・2024年
すべての加盟店が答えを持ってなくてはならない質問とは、彼らの持つ決済手段がデジタルトランスフォーメーションに付いていけているか、ということです。革新的なテクノロジーを最大限に活用し、顧客を新たな脅威から保護し、消費者が期待する安全で便利かつ迅速な決済体験を提供しているでしょうか。
クレジットカードとデビットカードは、長らく最も一般的なeコマースの決済方法としてトップに君臨してきました。しかし、消費者はより多様な決済方法とチャネルを求めるようになっています。電子ウォレットは最も人気のある決済方法の1つになる見込みで、2025年までに世界の半数以上の人々が利用するようになると見られています。多くの新興金融機関が進化するテクノロジーを取り入れ、従来型の銀行に挑戦する中で、人々が決済に求めるものや要求するものは変化しています。まさに時代の流れに追いつくか、取り残されるかの瀬戸際にあります。
1日の中で複数のデバイスを切り替えて使うユーザーの90%が、1つのタスクを完了するために平均3台のデバイスを使用しているため、パソコン、タブレット、スマートフォン、その他のデバイス、の間でシームレスなショッピング体験を提供していない加盟店は、カートの中の商品が購入されないままとなる(カートの廃棄)問題に悩まされるでしょう。
適切なオムニチャネルソリューションを導入することで、加盟店は複数のチャネルにわたるシームレスなショッピング体験を実現できます。ソーシャルメディアを活用して直接販売したり、顧客とコミュニケーションを取ったり、自社のウェブストアに誘導したりできるだけでなく、多様なデジタル決済にも対応できます。
従来は実店舗を構えていた店舗でさえ、デジタルに対する意識の変化から恩恵を受けることができ、オムニチャネルを利用する買い物客は最大300%多く支出するようになります。米国では、オンラインショッピングよりも実店舗での買い物を好む人がわずかに多いものの(33%対22%)、そのうち約33%がオンラインショッピングにはメリットがあったと回答しています。マルチチャネルコマースは、デジタルネイティブ世代の消費者の障壁を取り除くだけでなく、新型コロナウイルス感染症のパンデミック時に見られたように、客足が鈍る時期の事業の運営にも役立ちます。
近距離無線通信(NFC)の進化により、現金の使用は減少しています。スマートフォンの所有率と電子ウォレットの利用率が増加するにつれ、多くの人々が手持ちのデバイスを使用した支払いを望むようになり、結果的に現金を持ち歩いたりATMを探したりする手間を省けるようになっています。小規模加盟店は、釣り銭を扱ったり、高価でかさばるPOSシステムに投資したりするよりも、手持ちのデバイス上で決済を受け付けることを好む場合もあります。
タップ決済(Tap on Phone)により、規模の大小や業種、場所を問わず、幅広い加盟店が第三者を介さずに非接触型決済を利用できるようになりました。今では、既存の銀行取引関係を通じて、トークン化などの最先端の暗号化技術を用いたモバイルPOS(mPOS)を利用できます。これにより、消費者の顧客情報は保護され、加盟店からは隠された状態で、データ保護の責任は消費者が信頼できる銀行に移管されることになります。
その利点は単なる決済受付にとどまりません。mPOSソリューションにより、個人商店や移動販売など従来現金のみだったビジネスでも、電子請求書、メール領収書、在庫管理、レポーティングといったデジタル機能を利用できます。成長中のマイクロビジネスや中小企業(SME)などにとって、これは、BOPIS(オンライン注文・店頭受取)の迅速な決済完了など、消費者にとって魅力的な新しいサービスの一環として活用することができます。
BOPISは他のデジタル決済同様、COVID-19以降急速に普及し、30%の消費者が初めて利用しました。その後、64%がBOPISの利用頻度を増やし、59%がBOPIS型の購買方式に関心を示しています。
ある調査によると、BOPISを提供していない加盟店はオンライン・オフライン双方で売上シェアが低下していました。競合先にBOPISを導入されたした事業者は、オンラインで4.7%、オフラインで1.8%の売上減少を経験しています。さらに、米国の消費者の85%が受け取り時に他の商品をついで買いしており、BOPISの提供は平均取引額の増加にもつながる可能性があります。
分割払いは目新しいものではありませんが、近年の経済的不安定さにより、分割払い、つまり後払い(BNPL)が再び件数を増やしています。消費者は0%の利子で多額の支払いを柔軟に分散できることに満足しており、2021年の英国における電子商取引全体の6%がBNPLであり、2022年には50.5%の増加が見込まれています。デジタル変革のおかげで、従来のお取り置き型の分割払いとは異なり、実店舗への来店は不要となり、決済前、決済中、あるいは決済後でも分割払いを提供できるようになりました。決済後とは即ち、通常の取引を事後遡及的に分割払いに変更できるということです。
分割払いの提供は、顧客満足度向上、カート放棄(カート内に商品を残したままの購入取り止め)の減少、顧客ロイヤルティ向上といったメリットを加盟店にもたらします。適切なパートナーを選べば、定期的な支払いの受領、簡易な統合の実現、取引上の障害の低減、リスクの低減などと同様に加盟店の支えになります。規制の強化やデジタル不正の増加を受け、銀行、決済サービスプロバイダー、加盟店は、彼らの分割支払いプログラムが、消費者の需要に対応しつつ不要な複雑さを避けるために、最新の状態でかつ安全な状態に維持されていることを確認する必要があります。
消費者は利便性を求めていますが、そのために過度なセキュリティ低下を受け入れるわけではありません。より豊富なデータと高度なソリューションを可能にするEMV 3DS 2.0の導入により、企業は移動中でも迅速で安全な取引を提供でき、パスワード不要のチェックアウトといったイノベーションを実現できます。しかし、テクノロジーの進化とともに消費者の期待も高まります。適切な決済パートナーは、加盟店や銀行が最先端のソリューションをいち早く提供することを助け、競争優位性の確立、コンバージョンの最大化、コスト削減を支援します。