当社は、決済業界のテクノロジー企業として、世界中の個人、企業、組織を結び付け、すべての人々により大きな機会を創出することが当社の責任であると考えています。これには、当社の業務の範囲内での人権侵害に対処し、当社のネットワークの力を活用して世界中で可能な限り人権を促進することが含まれます。
当社は国連グローバル・コンパクトのメンバーでもあり、関連する国際人権基準や地域のステークホルダーの関与をさらなる指針として参照することで、その取り組みを補完しています。そして、世界がいかに相互につながっているか、そして私たちがその相互のつながりにどのように貢献しているかを認識し、サプライヤー、顧客、さらには同業他社に至るまで、あらゆる種類の従業員とパートナーに、人権の尊重と促進に対する当社の取り組みを共有することを期待しています。
当社ではアセスメントを実施し、当社の事業と最も関連性が高く、当社が最大限活用でき、最大の価値に貢献できる人権を特定し、優先順位をつけるのに役立てました。当社は、このような定期的なアセスメント、継続的なデュー・デリジェンスおよびモニタリングに基づいて、人権に対する取り組みを更新して参ります。
当社の人権に対する取り組みは、デジタル経済を強化するためのテクノロジーの活用方法から、個人対個人でどのように行動するかまで、当社が行うすべてのことに基本的な人間としての良識を持たなければならないという信念に基づいています。したがって、当社のネットワークは当社の事業と運営の基盤である一方、当社の人権に対する取り組みを支え、あらゆる場所のあらゆる人々にとって人権が機能することを目指しているのは、当社の従業員によって形成され推進される良識の文化です。従業員はその良識に基づいて、何を行うか、さらに重要なことに、どのように行うかを決定します。
良識は、イノベーションやスピード感を促進する関係や尊敬の基盤となり、他者とのオープンマインドで思慮深いコラボレーションの土台となります。これは、人ではなく視点に挑戦し、敬意を持って直接的に最良の結果を得ることに役立ちます。また、複雑に絡み合ったさまざまなニーズに応えるソリューションについて、より広い視野で考えるよう促すものでもあります。
当社のネットワークは本質的に、人々を結びつけ、人々が金融資産をシンプル、安全、セキュアな方法で運用して機会を実現できるようにするものです。そのため、個人や組織が潜在能力を発揮し、経済的な安定を達成するのに役立つネットワーク、ツール、ソリューションにアクセスできるようにすることは、当社のビジネス戦略であると同時に社会的責任でもあります。
当社は、さまざまな金融包摂ソリューションとイニシアチブを通じて包括的な成長を促進し、他の組織と連携して個々の強みを強化し、すべての業務を通じて社会的、商業的、環境的に持続可能なソリューションをサポートするよう努めることで、これらすべてを実現します。当社では、こうした取り組みにおいては、さまざまな背景、経験、視点を取り入れることが重要だと考えています。これらはイノベーションを刺激し、当社の視野を広げ、優秀な人材を引き付け、顧客基盤を拡大し、政府の問題解決パートナーとしての役割を果たすのに役立つでしょう。
Mastercardは単に社会にサービスを提供する企業ではなく、社会の一員でもあります。当社は、人々、パートナー、株主、顧客に等しく利益をもたらす責任を負っています。当社が目指すのは、耳を傾け、つながりを築き、適切で持続可能なソリューションを開発して、すべての関係者に最大限のプラスの影響を与える方法でこの責任を果たすことです。当社は、社内外の多様なステークホルダーの意見を歓迎します。彼らは当社のビジネスにとって最も重大な人権問題を特定し、最大のインパクトの達成を支援してくれる重要なパートナーとなるでしょう。多様なステークホルダーとのこうした関わりを通じて、当社は多様な視点を獲得し、より広範な社会問題に建設的に取り組む方法について理解を深めて参ります。
幅広いステークホルダーのコミュニティに加えて、Mastercardはいくつかのサステナビリティ関連の会員制組織に積極的に参加しています。こうしたグループに所属することで、他社の取り組みから学び、自社のベスト・プラクティスを同業者と共有することができます。その他のパートナーシップの取り組みとしては、金融イノベーション、政策立案者と主要なステークホルダーの関与、金融教育、慈善活動、そしてアカデミックなパートナーシップを通じた金融包摂へのアプローチがあります。また、当社はU.S. Financial Coalition Against Child Exploitationのサポーターであり、International Anti-Counterfeiting Coalition(IACC)、Center for Safe Internet Pharmacies、Partnership for Drug-Free Kidsとも連携しています。
当社の業務は、倫理と責任の最高基準を維持することが、数ある選択肢の1つなどではなく、今日の世界でビジネスに成功する唯一の方法であるという信念によって導かれています。当社は、信頼、パートナーシップ、敏捷性、自発性という4つの価値観に基づき、良識、誠実、尊重を基本に、倫理的な事業運営と法令遵守に全力で取り組んでいます。当社は長年にわたり、強力なガバナンス基準を維持し、透明性の高い財務報告と強力な内部統制への取り組みを行ってきました。
Mastercardのサービスおよびブランドにおけるフランチャイズ利用基準は、法の支配に準拠しています。顧客は違法行為に関与してはなりません。法律で認められる取引に関しては、個人が他者と私的に取引する権利を尊重します。当社は、消費者と企業が金融資産にアクセスし、民間の商取引に従事できるようにし、法の支配に沿って自由、接続性、個人の主体性を拡大するという当社の中核的なコミットメントに照らして、Mastercard製品の受け入れを制限する提案を非常に慎重に検討します。当社は決済システムのすべてのステークホルダーに高い基準を求めていますが、違法行為が確認された場合はパートナーと協力して対応します。
このアプローチは、当社が事業を展開する各国または地域のさまざまな法律、口座所有者のプライバシーと独立した判断、そして当社が世界経済で果たす役割を尊重するものです。このように法律を尊重することで、法の執行に対して信頼できる基準が生まれ、人々の人権の保護と政府による権利侵害からの保護のバランスが保たれることになります。
当社は、違法行為につながるものを調査し、次のようなさまざまなフォーラムに積極的に参加することで、法執行機関とも協力しています。
データに対する当社のアプローチ:データのプライバシーと保護に対する当社の取り組みと同様に、個人は当社のデータ慣行の中心にあります。当社の業務に関係するデータに関しては、透明性、個別の管理、セキュリティ、倫理的な使用を通じてステークホルダーとの信頼を構築し、維持しています。データは、正当な取引を認証し、不正取引を特定し防止する手段です。当社は、人々のプライバシー、セキュリティ、人権に対するあらゆるリスクを確実に軽減するために、定期的に影響アセスメントを実施しています。当社では、個人情報に関する要求やプライバシーその他の人権侵害に関する苦情に対応するための包括的なプロセスを導入しています。また、未来に向けてイノベーションを進めており、データ・ガバナンス、データ品質、データ・リネージに関するプラクティスと管理の設定を行っています。当社は、これらのプラクティスを組み合わせることで、機械学習や人工知能を含む当社の現在および将来のデータ・プラクティスにおける倫理的なデータ・リーダーシップを確立できると理解しています。今後、つながった個人や社会がさらに多くの情報を生成するにつれ、当社のような企業、政府、その他の組織が個人情報を収集、使用、保護する方法について、思慮深く、倫理的で、説明責任を果たすことがますます重要になってくるでしょう。
当社のプライバシーに対する世界的な取り組みについて詳しくは、当社のウェブサイトをご覧ください。
当社のネットワーク:毎年、世界中で数十億件の取引がMastercardの決済ネットワーク上で行われています。当社のネットワークは、常に進化し、複雑化するトランザクション・エコシステムにおいて信頼と安心を提供するように設計されています。当社のネットワークは世界中に分散しているため、さまざまなステークホルダーの協力が不可欠です。当社は他社と連携し、マネー・ロンダリング、テロ資金供与、制裁回避など、人権侵害につながる可能性のある活動に当社の製品、サービス、テクノロジーが利用されるのを防ぐための革新的なアプローチを構築しています。また、Mastercardは他社と連携して、知的財産権の乱用、児童搾取、違法なインターネット・ギャンブル、違法な医薬品の販売など、違法な取引の監視、発見、防止にも取り組んでいます。当社のアプローチの一部は、当社のネットワーク・エコシステムにおける自分たちの役割と他者の役割を定義し、外部の組織と常に関わり合いながら、ネットワークとその参加者による利用に関する課題を解決するために、より良いパートナーシップを築く方法について多角的な視点を得ることです。
法律、当社の行動規範、その他の企業ポリシー、またはフランチャイズ規則の違反の疑いまたは潜在的な違反を報告するためのお客様の責任と苦情処理メカニズムの詳細については、当社のウェブサイトをご覧ください。
当社の従業員:当社の従業員および臨時従業員は、公平に、敬意を持って、尊厳を持って扱われるに値します。当社は、差別、嫌がらせ、報復のない安全で健康的な職場環境を提供することに尽力しています。当社は、従業員またはサプライヤー、臨時従業員、ビジネス・パートナーによる、セクシャル・ハラスメント、保護特性に基づく差別、品位を傷つけるまたは不快なコメントやジョーク、いじめ、暴力、脅迫、脅威などの、違法な差別、ハラスメント、報復を容認しません。すべてのMastercard従業員は、これらのポリシーと、良識、包括性、尊重の文化に対する当社の期待についてトレーニングを受けます。また、マネー・ロンダリング防止、貿易制裁、データ・プライバシー、情報および企業セキュリティ、職場における行動に関するトレーニングも受けます。当社では、匿名での報告オプションを含め、懸念事項を報告するための複数の手段を従業員に提供し、当社が受け取った懸念事項を調査し、個人の行動に責任を負わせることで、これらのポリシーと基準を実践しています。
当社の行動規範、CEOおよび上級役員向けの倫理規定の補足、および倫理ヘルプラインの詳細については、当社のウェブサイトをご覧ください。
当社のサプライ・チェーン:当社の人権に対する取り組みはサプライヤーにも適用されます。当社のサプライ・チェーンにおける現代の奴隷制を含む人権侵害のリスクを軽減するために、当社のサプライヤーは、労働者、そのサプライヤー、顧客、その他の第三者と接する際の倫理的行動基準に契約上拘束されます。これは、サプライヤーとの契約に盛り込まれているサプライヤー行動規範に明示されています。また、当社は契約上、パートナーおよびサプライヤーにプライバシーとセキュリティに関する当社の高い基準を満たすか上回ることを義務付けており、コンプライアンスを確保するために当社およびパートナーの社内制度を定期的にレビューしています。
当社のサプライヤー行動規範および現代の奴隷制に関する声明の詳細については、当社のウェブサイトをご覧ください。
データの責任を通じて:データは、個人や社会にとって有益な次世代のイノベーションを促進する可能性を秘めていますが、責任ある安全な方法で活用された場合に限ります。当社は、倫理的で責任あるデータ利用が社会の善のための変革的な力となり得ると信じています。そのため、当社は世界中の政府、規制当局、政策立案者と積極的に連携し、業界がイノベーションと経済発展のために情報をどのように活用しているかを示し、当社の製品、サービス、テクノロジーに、プライバシー、セキュリティ、データ保護をどのように組み込んでいるかを説明しています。当社は、組織がデータを管理するためのガイドラインを確立するために、一連のグローバル・データ責任原則を作成しました。これは、多くの専門家や組織によって支持されています。これらの原則は、個人のデータに関する権利を説明し、データ責任がビジネス上および道徳上の義務である理由を説明しています。
包括的成長を通じて:当社は、発展途上国の農家にも、国際的都市のギグ・ワーカーにも、成長と雇用創出を目指す中小企業や零細企業にも、包括的成長はあらゆる個人にとって不可欠であると信じています。当社の包括的成長戦略は、個人の経済的安定性を向上させること、地域社会の経済発展の推進方法を改善すること、今日の急速に変化する経済を人々が乗り越えられるよう支援すること、そしてデータ・サイエンスの力を有効活用することという4つの主要な柱に基づいています。Mastercard Center for Inclusive Growth、Mastercard Lab for Financial Inclusion、Mastercard Impact Fundなど、複数の団体が当社の包括的成長戦略とインパクトを支えています。
金融教育を通じて:金融商品やサービス、およびその利用方法に関する教育は、人間のエンパワーメントにおいて重要な要素です。当社は、金融包摂の重要な取り組みの一環として、Mastercard AcademyやMaster Your Cardなどのイニシアチブを通じて、消費者や小規模事業主向けの金融リテラシー・プログラムを開発、主導、支援しています。
当社が従業員を通じて社会的持続可能性を推進する方法、慈善活動および金融包摂プログラムの詳細については、当社のウェブサイトをご覧ください。
当社の取締役会の指名およびコーポレート・ガバナンス委員会は、取締役会の他の委員会と連携して、企業責任、環境管理、人権などに関連するものを含め、当社の環境、社会、統治に関するポリシーと実践を監督しています。
当社の経営幹部は、関連する人権問題に対処し、当社の良識ある文化をサポートするために、部門横断的に取り組んでいます。関与する可能性のある人権の多様性を考慮した、これらの取り組みは組織全体に広がり、経営委員会のメンバーとそのチームによって共有されています。