ペイメント・ソリューションで世界をリードするMasterCard Worldwide (本社:ニューヨーク州パーチェス、在日代表:福本英雄、以下、MasterCard) は本日、第1回目となる「個人の消費力に関する調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Spending Capability: MWICSC)」、および最新の「家計における購入優先度調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Purchasing Priorities) 」結果を発表いたしました。
これらの調査結果によると、2010年の日本の個人消費は回復傾向にあることが明らかになり、それに伴い小売の売上高も回復傾向となることが期待されます。また、消費者が自由に使えるお金の使いみち(裁量消費支出)で、最も優先する消費先の費目は、「外食/娯楽」であることが明らかになりました。
個人の消費力に関する調査
(MasterCard Worldwide Index of Consumer Spending Capability: MWICSC)
MWICSCの調査結果では、日本の2010年の指数は17.6で、2009年の16.4より1.2ポイント改善しています。また、調査対象であるアジア/太平洋地域の14市場1においては、全ての市場で前年より指数が改善した結果となりました。特に、消費基盤が改善傾向にあることから、中国、香港、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、シンガポールの各市場においては、小売の売上高が二桁の成長を遂げることが予想されます。
[ 1 日本、オーストラリア、中国(香港を除く)、香港、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム ]
この新しいMWICSCは、1年間の個人消費に関する見通しを調査しています。個人消費の予測には消費者信頼度のデータを用いるのが一般的ですが、消費者信頼度は今後の消費動向を図る先行指標ではありません。MWICSCは、当社が年2回発表している「景気動向についての消費者意識調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Confidence)」で得られた消費者信頼度に関する知見をもとに、個人消費に影響を与える6つの主要な要素として (i) 世帯収入、(ii) 世帯負債、(iii) 金利、(iv) 株式相場、(v) 不動産価格、(vi) インフレ率を組み合わせて算出されたものです。
これらの要素を組み合わせた指標は、ある市場において今後12か月の間に、家計にどれだけ消費する「能力」があるかを評価する上で手がかりとなります。すなわち、どれだけの額を支出に回せるか(税引後の世帯収入、世帯負債、金利)、支出のうちどの程度が資産価値や将来予測によって裏付けられるか(不動産価格、株式相場、消費者信頼度)、物価水準が変動することによって支出の意向がどの程度左右されるか(インフレ率)を考慮しています。
MWICSCのデータは追跡記録して前年の値と比較します。調査結果から得られた個人消費力の対前年比率は、小売売上高の動向を示す指標となります。
2010年は14市場すべてにおいて、2009年と比較したMWICSCの対前年変化率はプラスとなり、個人消費力が向上していることを示しています。この地域に関する主な調査結果は以下のとおりです。
- 個人消費力の大きな改善が予想されるのは、香港(+12.5)、韓国(+11.9)、台湾(+15.5)です。中国(+1.9)と日本(+1.2)においても、MWICSCは2009年に比べ増加しています。MWICSC指数の増加は、これらの市場で2010年の小売売上高が拡大することを示唆するもので、中国、香港、韓国では、小売売上高の伸びが二桁になると予想しています。
- インドの2010年のMWICSCは、9.9ポイントの堅調な増加を示しており、本年の小売売上高は二桁の成長となることが予想されます。
- 東南アジアでも、全体的に改善傾向となり、なかでもベトナムは個人消費力の伸びが最も顕著でした(+17.8)。以下、シンガポール(+9.4)、タイ(+7.2)、インドネシア(+7.2)、フィリピン(+6.6)、マレーシア(+5.7)の順となりました。インドネシア、マレーシア、シンガポールの三市場では小売売上高の伸びが二桁になると予想されています。
- オーストラリアとニュージーランドでもMWICSCが増加しており、オーストラリアでは12.7ポイント、ニュージーランドでは8.1ポイントの伸びとなりました。ただし、オーストラリアではMWICSCは伸びたものの、小売売上高の増加ペースは2009年と同水準になると予想されています。これは、2009年の小売売上は過去最大級の財政支出に下支えされたものであるという考察を考慮したものです。同様に、ニュージーランドも小売売上高の伸びは控えめなものになると予想しています。
MasterCard Worldwide、アジア/太平洋地域の経済アドバイザーを務めるユワ・ヘドリック-ウォン博士(Dr. Yuwa Hedrick-Wong)は、次のように述べています。「このたび初めて実施された『個人の消費力に関する調査』では、アジア/太平洋地域の消費者が、昨年との比較においても、また過去10年の支出水準のベンチマークと比較しても、支出の増大をもたらす条件が整っていることを示しています。インドネシア、香港、シンガポール、インド、マレーシアなどの市場においては、今年、個人消費力がとりわけ大幅に伸びるものと予想しています。
MWICSCの指数がこの時期に上昇することは、特に重要な意味を持っています。というのも、各国政府が昨年実施した積極的な財政政策を終了し始めているからです。したがって、アジア/太平洋地域のMWICSCの上昇は、現在の家計の状態が、財政出動がなくなったあとの不足分を補って内需を下支えできる状態にあるということを示しています。すなわち、このまま不安定かつ不確実な市場の状況が今年いっぱい続いたとしても、この地域にはそれに耐えられるだけの個人消費力がついてきている事を意味しているのです。」
同地域における個人の消費力が回復していることが明らかになった上で、今度はその主な消費先についてどのような傾向が見られるでしょうか。
家計における購入優先度調査
(MasterCard Worldwide Index of Consumer Purchasing Priorities)
MasterCardの最新の「家計における購入優先度調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Purchasing Priorities) 」によると、アジア/太平洋地域の消費者が自由に使えるお金の使い道(自由裁量支出)で優先する費目として、回答者の65%が選択した「外食/娯楽」が1位となりました。つづいて「ファッション/アクセサリー」が2位(44%)、「家電製品」が3位(37%)、「フィットネス/ウェルネス」と「子供の学校外の教育/家庭教師」が4位(共に32%)でした。これは前回(2009年12月)の調査時と全て同じ順位となりました。
日本の消費者のあいだでの購入優先度上位10位(複数回答)は次の通りです。
1位:外食/娯楽(70%)
2位:ファッション/アクセサリー(50%)
3位:家庭用電化製品(白物家電を除く)(43%)
4位:自己啓発のための生涯学習(28%)
5位:旅行(24%)
6位:フィットネス/ウェルネス(23%)
7位:子供の学校外の教育/家庭教師(22%)
8位:白物家電(15%)
9位:自宅や不動産のアップグレード/リフォーム(9%)
10位:自動車やバイク(新規/中古)(7%)
「家計における購入優先度調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Purchasing Priorities) 」は今後半年間における消費者の消費・貯蓄行動、および主な自由裁量支出10費目の優先順位について調査しています。この調査は、MasterCardがアジア/太平洋、中東、アフリカ地域の主要24市場2において2010年3月15日から4月12日にかけて消費者計10,503人を対象に実施しました。調査データは対面、電話およびインターネットでのインタビューによって収集しています。
[ 2 調査対象の市場は以下の通りです。
(アジア/太平洋地域)日本、オーストラリア、中国(香港を除く)、香港、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム
(中東地域)エジプト、クウェート、レバノン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦
(アフリカ地域)ケニヤ、モロッコ、ナイジェリア、南アフリカ
同地域の消費者の過半数(52%)が、半年前の前回の調査時と同じ程度の裁量消費支出を予定しています。一方で、前回調査時よりも増やす予定であると回答している消費者は18%でした。また、減らす予定であると回答している消費者は前回調査時に比べて減っています(今回30%、半年前34%)。同地域の中で、増やす予定と回答している消費者の割合が最も高かったのは、中国(26%)、インドおよび韓国(共に24%)でした。一方で減らす予定であると回答している消費者の割合が最も多かったのは、フィリピン(65%)、インドネシア(49%)、タイ(47%)でした。
この地域に関するその他の主な調査結果は以下のとおりです。
- 「外食/娯楽」に消費する予定の消費者の割合が最も多かったのはタイ(79%)、ベトナム(77%)、韓国およびニュージーランド(共に73%)でした。
- 「ファッション/アクセサリー」に消費する予定の消費者の割合が最も多かったのはベトナム(65%)、韓国(58%)、日本およびニュージーランド(共に50%)でした。
- 「家庭用電化製品(白物家電を除く)」に消費する予定の消費者の割合が最も多かったのは香港(53%)、シンガポール(52%)、台湾(50%)でした。
- 今後半年間に自由裁量支出の中から、恵まれない人への寄付を行う予定である消費者の割合が高かったのは、香港(66%)、インドネシア(65%)、フィリピン(62%)でした。アジア/太平洋、中東、アフリカ地域全体では、回答者の53%が寄付を行う予定で、そのうち55%が自らの年収の1~5%程度を寄付する予定と回答しています。
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MWICSC調査方法について
MWICSCは、正規化の手法を用いて、7つの要素の変化を表す過去10年分の数値や評価基準に比重をつけた上で合算しています。7つの要素とは、(i) 世帯収入、(ii) 世帯負債、(iii) 金利、(iv) 株式相場、(v) 不動産価格、(vi) インフレ率、(vii) 消費者信頼度です。これを0から100の数値で表し、「100」の場合は、過去10年間の傾向にもとづいて7つの要素から算出される今後12か月間の個人消費力が考え得る範囲で最も高く、「0」の場合は最も低いことを示します。指数が「50」の場合は、個人消費力が過去10年間の平均にあたる水準であることを示します。
アジア/太平洋地域14市場のMWICSC値を用いて予測を立てる場合、前年比に変換した数値を年次ごとに比較します。この場合、着目すべき点は二つあります。一つ目はMWICSCの絶対値です。MWICSC の値が50を超える場合、7つの要素の合計で表される個人消費力が過去10年間の平均を上回っていることを示しています。二つ目は、MWICSCの対前年変化率で、これによって前の年と比較することができます。この二つの点を踏まえて考えると、たとえばMWICSCが1年間で60から70に増加した場合は、個人消費力が大幅に拡大したことを意味します。ところが、もし前年に比べ25ポイント増加したとしても、35から60になったという場合には、個人消費力は平均を少し上回る程度に回復した程度に過ぎないということになります。
*これら一連の調査やレポートはMasterCardの業績を示すものではありません。
*MasterCard Worldwide IndexやInsightsレポートはwww.masterintelligence.com(英文、一部和文有り)にて詳細をご覧いただけます。
MasterCardの一連の調査について
「家計における購入優先度調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Purchasing Priorities)」および「消費者の購買意欲回復度調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Purchasing Resilience)」は、アジア/太平洋、中東、アフリカ地域で実施しているMasterCard Worldwide Index調査の一環です。その他の主要な調査として、「景気動向についての消費者意識調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Confidence)」、「女性の社会進出度調査(MasterCard Worldwide Index of Women's Advancement)」などを実施しています。
MasterCardはこれらの一連の調査以外にも、アジア/太平洋地域内におけるビジネス・ダイナミクス、金融政策、および規制関連の活動について継続的な調査を実施し、Insightsレポートとして2004年から70以上のレポートを発行しています。また、MasterCardはユワ・ヘドリック-ウォン博士(Dr. Yuwa Hedrick-Wong)の執筆による、アジア地域の消費者について考察した4冊からなる一連の書籍もJohn Wiley & Sons.社より発行しています。
MasterCard Worldwideについて
MasterCard Worldwideは、世界中の金融機関、数多くの企業、カードホルダー、加盟店をつなぎ、グローバルな商取引を推進しています。MasterCardは、フランチャイザー、プロセッサーならびにアドバイザーという役割を通して、ペイメント・ソリューションを提供し、毎年およそ220億に及ぶ取引をシームレスに処理するかたわら、カスタマーである金融機関およびカード発行会社や加盟店に対して業界をリードする分析やコンサルティングサービスを提供しています。MasterCard®、Maestro®およびCirrus®のブランドファミリーを通じてMasterCardは世界210を超える国や地域の消費者とビジネスに役立っています。詳細はホームページwww.mastercard.co.jp をご覧下さい。TwitterでMasterCardのニュースをフォローするには@mastercardnewsよりご登録ください。