ニュース編集室

MasterCard、最新のInsightsレポートで、
アジア/太平洋、中東、アフリカ地域の都市環境ランキングを発表
東京はさまざまな環境保全対策が評価

- 東京はアジア圏でシンガポールに次ぐ2位にランク -

平成20年2月28日

MasterCard Worldwide (本社:ニューヨーク州パーチェス、以下、MasterCard)は、本日最新のMasterCard Worldwide Insightsレポート「アジア/太平洋、中東、アフリカにおける都市化と環境への取り組み」で都市環境ランキングを発表しました。東京はアジア圏でみるとシンガポールに次ぐ2位にランクされました。

同レポートは昨年実施した「MasterCard Worldwide Centers of Commerce Index™(ビジネス都市度ランキング)」で取り上げた同地域21の主要ビジネス都市について、大気汚染、感染症、自然災害といった環境問題に対する各都市の脆弱性と対応施策を検証したものです。

同レポートは環境要因が都市に与えている影響および都市化の進行によって生じている課題も明らかにしており、都市の将来設計を考える上で興味深い洞察を提供します。

東京は、アジア地域の中ではシンガポールに続いて2位にランクインしています(オセアニア、中東、アフリカを含む全地域では7位)。注目すべきは、政府管掌下にある6つの環境指標から測定している機軸1において、「空気の質」以外の全ての指標において満点の高評価を獲得しているという点です。これは日本政府ならびに東京都が環境改善への取り組みや整備を積極的に実施し、効果を生み出しているということを示しています。この機軸1だけで見ると、東京は対象全地域で2位(シンガポールと同率2位)となりますが、機軸3に含まれる自然災害(地震、火山噴火など)の発生可能性において低い評価となったために総合でのランクを下げる結果となりました。

MasterCard Worldwide の経済アドバイザーであるユア・ヘドリック-ウォン博士 (Dr. Yuwa Hedrick-Wong)は、次のように述べています。「東京はアジア/太平洋、中東、アフリカ地域総合ランキングで7位となりました。これは、政府の管掌下にない環境要因、あるいは予測が非常に困難な環境要因から見た際の、立地面での脆弱性を反映しています。しかしながら、政府管掌下の環境要因だけでランク付けしてみると全地域のなかでメルボルン、シンガポールに次ぐ3位と、最高位に近いポジションにあります。東京は、全般的に見て都市化の過程において環境の質を高めるための対策を効果的に果たしてきているといえます。しかし、外因性かつ潜在的に予測不能な災害の可能性にさらされてはいるわけですから、現状に満足することなくひきつづき環境の改善に努めるべきだといえます。」

レポートの都市環境ランキングの分析から、歴史的に見て歳入の多い都市ほど環境の質に対する改善を果たしてきたことがわかります。(シンガポール、東京、メルボルン、シドニー等)。

その一方で、発展レベルが低い貧しい都市は通常、清浄な飲料水や下水設備といった基本的インフラサービスが欠けています。そうした都市の産業化が進み、所得水準が向上するにつれ、基本的サービスは改善されますが、交通渋滞、大気汚染、毒性廃棄物といった新たな問題も浮上してきます。

このような都市間の差異は、メルボルン(第1位)とムンバイ(第21位)という対照的な都市の結果から明らかになります。

この両都市の相違について、メルボルンの人口が少ないこと、都市成長率が低いこと、豊かさと所得水準が高いこと、概して良好な経済状況からその理由の一部を説明することができます。結果としてメルボルンでは、感染症の発生が少なく、空気の質が高いほか、大気変動や甚大な自然災害から免れています。

対照的にムンバイでは、人口と都市規模の急速な拡大に対処することができずにいます。これは、天然資源、商品・サービス、インフラが限定的で、感染症の頻繁な発生、汚水システムの低い普及率・頻繁な機能不全、車や産業に起因する空気の質の低下など、マイナスの特徴が蔓延しているといった点から明らかです。

中国においても、成都(12位)、上海(13位)、深圳(15位)、北京(17位)と、急速な発展(都市化)が進んでいますが、大気汚染、水の飲用適格性、廃棄物処理の点において、いずれの都市も芳しい成果を挙げていません。さらに、台風や地震といった自然災害のリスクも高いことから、レポートでは下位にランクされています。

調査方法

ランキングを決定するにあたり、以下の3つの機軸を考慮しました。
1. 政府管掌下にある要因
2. 政府管掌下にはなく、気候変動の影響を受ける要因
3. 自然災害などの予測不可能な環境リスクに結びつけられる要因

上記3機軸について、日常における環境の質(機軸1)が最も重要との認識に基づき、総合評価の比重が決定されています。日常における環境の質は、都市在住者や訪問者が毎日体験するものであり、さらには、健康と福祉に与える影響も大きいためです。次いで重視したのは、気候変動によるリスクの機軸です。気候変動はある程度まで予測可能であり、しかも影響が甚大化しつつあるからです。3番目には予測不可能リスクの基軸を置きました。

各機軸の比重は以下の通りです:

指標 比重(%)
機軸1 70
機軸2 20
機軸3 10



結果-総合ランキング
MasterCard Worldwide Insightsレポート「アジア/ 太平洋、中東、アフリカにおける都市化と環境への取り組み」の都市環境ランキング総合結果

順位 都市 標準化された総合ランキング
1 メルボルン 2.03
2 ヨハネスブルグ 2.37
3 シンガポール 2.40
4 ドバイ 2.70
5 シドニー 3.02
6 テルアビブ 3.08
7 東京 3.27
8 ソウル 3.29
9 クアラルンプール 3.54
10 リヤド 4.35
11 香港 4.93
12 成都 5.25
13 上海 5.54
14 バンコク 5.79
15 北京 5.82
16 カイロ 5.95
17 深圳 6.07
18 ベイルート 6.29
19 ジャカルタ 7.10
20 ニューデリー 7.24
21 ムンバイ 7.78



結果-機軸1
この機軸は、政府管掌下にあると考えられる指標が含まれています。具体的には、水の飲用適格性、水の入手可能性、下水システム、廃棄物処理、空気の質、感染症等です。

環境の質で下位に位置づけられた都市は、高レベルの大気汚染(とりわけ自動車の排気ガス)、廃棄物処理(ごみ処理や汚水ネットワーク)の不徹底、非効率および普及率の低さ、感染症の発生度合いに問題が見られました。水の入手可能性と飲用適格性が著しく低いのがニューデリーとムンバイで、飲用適格性が極めて低いのがジャカルタと北京でした。ベイルートは、政治的混乱が原因で、環境サービスに支障をきたしています。

表1:機軸1における指標の比重

指標 比重(%)
水の引用適格性 12
水の入手可能性 12
下水システム 12
廃棄物処理 16
空気の質 32
感染症 16


表2:機軸1のランキング

順位 都市 標準化スコア(1=最高)
1 メルボルン 1.0
2 シンガポール 1.7
3 東京 1.7
4 シドニー 1.8
5 ドバイ 2.2
6 ヨハネスブルグ 2.7
7 テルアビブ 3.6
8 ソウル 3.8
9 クアラルンプール 4.6
10 リヤド 5.2
11 香港 5.3
12 バンコク 5.3
13 上海 6.0
14 成都 6.7
15 深圳 6.9
16 カイロ 7.1
17 北京 7.4
18 ジャカルタ 7.8
19 ベイルート 8.2
20 ニューデリー 9.7
21 ムンバイ 10.0



結果-機軸2
この機軸に含まれるのは、政府の管掌下にない(少なくとも直接的な管掌下にない)と考えられ、気候変動の影響を被るとされる指標です。具体的には、海面上昇、干ばつによる水不足、大規模な暴風雨、火災等です。

気候変動の影響が大きいと見られるのは、海面上昇による洪水の恐れがあるバンコク、ジャカルタ、上海、シドニーです。他方、適応戦略の実行が容易で影響が少ないと考えられるのは、シンガポール、東京、メルボルンです。中東の国々では干ばつが予想されますが、財政事情によって対策はまちまちです。台風の発生率と深刻度が高くなると予想されるのが香港、深圳、そして(やや低いものの)東京です。

表3:機軸2における各指標の比重

指標 比重(%)
海面上昇 70
水不足 20
大規模な暴風雨 5
火災 5


表4.機軸2のランキング

順位 都市 標準化スコア(1=低リスク)
1 クアラルンプール 1.0
2 成都 1.3
3 ニューデリー 1.6
4 ヨハネスブルグ 1.9
5 北京 1.9
6 テルアビブ 2.2
7 ベイルート 2.2
8 ソウル 2.4
9 リヤド 3.1
10 ムンバイ 3.2
11 カイロ 4.4
12 香港 4.8
13 深圳 4.8
14 ドバイ 5.0
15 東京 5.4
16 シンガポール 5.4
17 メルボルン 6.2
18 上海 6.2
19 ジャカルタ 6.7
20 シドニー 8.4
21 バンコク 10.0



結果-機軸3
この機軸の指標は、予測が極めて困難(従って外因性)でありながら、一旦発生するとビジネス都市に甚大な影響を及ぼすものです。具体的には、地震、台風、ハリケーン、火山噴火です。

予測不可能なリスクが高いのは東京、やや高いのがジャカルタならびに中国の都市です。東京は火山活動が活発な地域に接し、大規模地震の影響を受け、台風の通り道となっています。他の都市ではこうした災害が比較的少ないと考えられています。東京と香港では災害の影響を最小限に抑えるための準備に力が入れられています。

表5:機軸3の指標の比重

指標 比重(%)
地震 75
台風/ハリケーン 20
火山噴火 5


表6.機軸3の順位

順位 都市 標準化スコア(1=低リスク)
1 メルボルン 1.0
2 ヨハネスブルグ 1.0
3 シドニー 1.0
4 テルアビブ 1.0
5 リヤド 1.0
6 バンコク 1.0
7 ベイルート 1.0
8 上海 1.2
9 シンガポール 1.3
10 ドバイ 1.4
11 クアラルンプール 1.4
12 カイロ 1.4
13 ニューデリー 1.4
14 ムンバイ 1.4
15 ソウル 1.6
16 北京 2.9
17 香港 2.9
18 深圳 2.9
19 成都 3.3
20 ジャカルタ 3.4
21 東京 10.0

*MasterCard Worldwide Insightsレポートの詳細はwww.masterintelligence.com にてご覧いただけます。

 

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