ニュース編集室

MasterCard、アジアの銀行業界には大きな成長機会があると分析

-絶えず変化する環境で成功を収めるには、新たなビジネスモデルと競争力ある戦略が必要-

平成18年2月28日

MasterCard International (マスターカード・インタナショナル、本社:ニューヨーク州パーチェス、以下、MasterCard) は、定期的に実施しているアジア/太平洋地域におけるビジネスダイナミクス、財政政策、規制動向に関する継続的な調査分析INSIGHTSレポートの最新報告を発表しました。この「アジアの銀行業務を取り巻く環境の変貌:課題と可能性」と題する最新レポートは、アジアの銀行業界について、課題は多いものの、今後10年間にわたって成長を続けるための大きな機会に恵まれると分析しています。アジア経済圏は今後10年でその規模が2倍以上に拡大すると期待されています。それは量的拡大にとどまるものではなく、主要なアジア経済圏が質的に大きな変化を遂げ、アジアの銀行はそこに可能性を見いだすことができるのです。

最新のレポートは、利益源そのものに新旧交代が起きているなかで成功を収めるには、どのような新たなビジネスモデルと競争力ある戦略が必要かを探ります。

本レポートは、人口動態が有利に働くマレーシアなどの国々を中心に、融資が継続的に伸びると予想しています。また、そうした国々では世帯形成が進み、それによって住宅ローンなどのリテール融資の需要が高まると結論づけています。

また、事業の拡大に伴って、法人向け融資の需要が大幅に増加します。大企業への融資は以前ほど伸びないものの、中小・中堅企業(SME)の需要は旺盛なことが見込まれ、クレジットビューローなどの信用報告機関がそれを支えます。

消費者向け銀行業務でとりわけ成長が見込めるのが中国や、インド、インドネシアです。貯蓄管理の分野でアジアの銀行がこれまでにない競争力あるサービスを提供する好機が現れ、この分野は今後10年で急速に拡大します。インフラ開発のためのプロジェクト融資も膨大な規模になります。

MasterCard Internationalの経済アドバイザー(アジア/太平洋経済)であるユワ・ヘドリック‐ウォン博士(Dr. Yuwa Hedrick-Wong)は「アジア経済圏の構造改革がアジアの銀行が成長する新たな大きなチャンスを創り出します。主要なアジアの市場の人口動態やビジネスを取り巻く環境の変化が、銀行業界の業務環境を根本的に変えていきます。このような環境の下では競争に対する圧力が上昇します。時期を得た、効果的な商品やサービスの改革を導入できる、最先端のテクノロジーと専門性を身に付けたプレイヤーのみが、生き残り、成長します」と述べています。新しいビジネスチャンスには、今まで目を向けられていなかった、貧困層向けの銀行サービスといったニッチな市場も含まれます。ある調査によれば1、貧困ながら返済が見込まれる融資の需要はインドで現在の40倍にあたる400億ドルまで増加します。また、マレーシアやインドネシアなどの国ではイスラム系銀行が急速に伸びます。

アジア地域の今後の成功に不可欠なのは、アジアの次世代の銀行が、大規模な地域銀行であれ、業務を特化したコミュニティ銀行・専門銀行であれ、現在よりもはるかに効率を上げ、競争力を備えることです。テクノロジーとノウハウのグローバルスタンダードを採用すれば、世界の銀行と互角に競争することが可能です。

新しい業界に対する課題

銀行業界は新たな課題に直面します。商品市場の競争がさらに熾烈になり、規制の撤廃や、かつて保護されてきた国内の銀行セクターが国外の銀行に開放され、価格決定力と営業利益が浸食されます。

またアジアの銀行の利益率に圧力がかかります。国内銀行は、これまでに広げた支店網と小規模で利益率の低い顧客を抱え込みます。いずれも簡単には手放せません。アジアの銀行は、積極的に事業の再構築やリエンジニアリングを行い、新たな課題に取り組むと同時に、利益率を拡大する努力が必要です。

資本市場のグローバリゼーションの拡大は、株主と債権者に投資の選択肢を増やし、活動が国内の株式・債券市場だけに制限されなくなります。ライバルと肩を並べるROE(資本利益率)を維持できない銀行は資本市場の圧力にさらされ、株価が下落すると同時に、債券市場では格付けの引き下げによって資金調達コストが上昇します。

業界のROEへの高まる圧力に直面する中、大規模な事業の再構築とエンジニアリングによってこうした新しい課題に対処すべきという圧力が銀行の経営陣にのしかかります。

アジアの銀行はいかに対応すべきか?-新しい戦略とビジネスモデル

新しいビジネス環境のニーズに応えるため、レポートでは今後発生する、アジアの銀行が対応するべきいくつかの主要なトレンドを導き出しました。

旧来の預金からもっと複雑なプロセスへの移行:資本市場が発達し、人々がよりよいリターンが期待できる先進の貯蓄方法に向かうと、銀行の仲介パターンは、融資元本となる旧来の預金からもっと複雑なプロセスへと移行します。

国内での銀行の整理統合:もう既にいくつかの市場で始まっている銀行の規模の拡大は、共通してみられるトレンドで、規模の拡大を図ることで、規模の経済を得、事業ミックスを最適にし、新たな市場に足がかりを得ます。これは既にシンガポールで起こっていることです。マレーシアでも、中央銀行が立案した金融セクターの基本計画において、次の段階の整理統合で国内の銀行の数を減らす必要があると明確に示しています。台湾も同様で、中央銀行が銀行同士の合併を促してきた結果、その第一段階が始まろうとしています。

今後10年間でより大きな地域銀行が登場することは、アジアにおける銀行業界の将来の見取り図で重要な部分です。しかし米国のコミュニティ銀行のように、比較的小規模な銀行でも大手と共存しながら利益を上げることも可能です。

収益源・利益源の変化 - リテールバンキングへの移行:アナリストは、法人向け銀行業務に依存していた銀行が、リテールバンキングへ移行していると指摘しています。発展の度合いが高い経済圏(香港、韓国、シンガポール、台湾等)でさえ、リテール融資の対GDP比の値はオーストラリアなどの成熟した市場よりも低い水準です。成長の可能性は高く、好調な経済を背景にして、リテールバンキング商品であるクレジットカード、自動車ローン、住宅ローンなどに対する需要が増加します。

収益源・利益源の変化 - 投資銀行業務に好機:企業がアジアで規模の経済と新市場を模索することから国境をまたいだ買収合併が増加することになりそうです。投資銀行業務は今後10年間で急速に成長することとなり、このトレンドに乗ることのできる銀行に新たな収益源・利益源をもたらします。

資本管理:利益へのプレッシャーや厳しくなる株主の要求に応えるため、銀行は資本管理を強化しています。その具体的な行動がアジアの多くの国々で引き上げられている配当率や、特別配当、自己株式の買い戻しプログラムによって余剰資金を還元しているシンガポールのOCBC Bankなどです。

テクノロジーの活用:アジアの銀行が顧客体験を優れたものにしたいのなら、テクノロジーのよりよい活用が大切です。さらに、支店、オンライン・バンキング、コールセンター、ATMといったチャンネル戦略も再考の対象になります。例えば、プラットフォームごとに料金を変更するなどです。


※INSIGHTSレポート、「アジアの銀行業務を取り巻く環境の変貌:課題と可能性」の全文は、MasterCardのMasterCard MasterIndex and Insightsレポートのホームページhttp://www.mastercard-masterindex.com/index.htmlからご覧になれます。また、本レポートのハードコピーをご希望の方は、お手数ですがウェーバー・シャンドウィック・ワールドワイド株式会社の米道・三浦までご連絡下さい。


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